伊知地国夫氏インタビュー 企画写真展 伊知地国夫「写真で楽しむ 科学のふしぎ」

伊知地国夫

光のアート CDの干渉色模様 (ロウソクの光がCDの表面で虹色の模様を作る写真)撮影:伊知地国夫 光のアート CDの干渉色模様 (ロウソクの光がCDの表面で虹色の模様を作る写真)
撮影:伊知地国夫

2013年8月16日(金)~8月29日(木)まで開催される富士フイルムフォトサロン 企画写真展 伊知地国夫「写真で楽しむ 科学のふしぎ」について、伊知地国夫氏にインタビューいたしました。

――まずは今回の「科学写真」の見どころについてお聞かせ下さい。

伊知地 身の回りにあってふだんはあまり気にかけないものでも、拡大したり、瞬間的な光で撮影したり、偏光板を使ったりと、撮影に少し工夫を加えると、素材に隠されているつくりや自然のしくみが見えてきます。いつも見慣れているものの中にある「ふしぎ」を見ていただければと思います。

――このような写真を撮る際に、苦労される点はどんなところですか?

伊知地 写真のテーマを見つけるまでが一番時間がかかり、苦労するところです。偶然見つかることもいろいろとあります。たとえばCDの同心円状の虹色の写真ですが、ペンライトでCDの中心を偶然照らした時にこの形が一瞬見えました。そこで、光源の種類や置き方をいろいろ工夫して、虹色の様子がよくわかるように撮影したものです。新しいテーマを見つけた瞬間は、とてもうれしいものです。

―― 伊知地さんは、これらの「科学写真」のどこに魅力を感じて撮り続けられているのですか?

伊知地 今回シャボン玉の膜を顕微鏡で写した写真を展示していますが、拡大してみるまでは宇宙を感じるようなふしぎな模様がその中にあるとは思いませんでした。そのような見たことのない形・色や現象を身近なものの中に見つけたときの驚きと撮影する面白さ、そしてどうしてそのような現象が生じるのかを科学的に考える楽しさが撮影を続けている原動力です。

―― 撮影の機材はかなり専門的でおおがかりになるのでしょうか?一般の人には撮影が難しいでしょうか?

伊知地 おおがかりなものはほとんどありません。展示作品は一眼レフカメラで撮影していますが、家でコンパクトカメラを使って撮影できるものもいろいろとあります。ぜひ挑戦してほしいと思います。

―― 写真展を見に来てくださる方に一言

伊知地 今回展示している写真の素材は、どこにでもあるCDや牛乳、蚊取り線香といった身近なものばかりです。是非この機会に、身の回りを見回して、おもしろい素材を見つけてください。先入観をもたずにいろいろなものを写してみると、まだ見たこともない不思議な形や色、現象がきっと見つかると思います。

石鹸膜の干渉色(顕微鏡)撮影:伊知地国夫 石鹸膜の干渉色(顕微鏡)
撮影:伊知地国夫

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