FUJIFILM SQUARE 企画写真展
写真界初の文化勲章受章者がとらえた、東京の復興と発展を支えた人々のいぶき

田沼武能写真展「わが心の東京」

  • 松屋百貨店屋上の新型機スカイクルーザー、浅草、1954年
    撮影:田沼武能

  • 街頭テレビでプロレス観戦をする人々、新橋駅前広場、1955年
    撮影:田沼武能

  • 古今亭志ん生一家、1959年
    撮影:田沼武能

  • 国際劇場の屋上で憩う踊り子、浅草、1949年
    撮影:田沼武能

  • 国立競技場聖火台に点火され東京オリンピックが開幕、新宿区、1964年
    撮影:田沼武能

こちらの催しは終了いたしました。

 FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)では、2020年6月9日(火)から7月9日(木)までFUJIFILM SQUARE 企画写真展、田沼武能写真展「わが心の東京」を開催いたします。

 田沼武能(たぬまたけよし)氏が、2019年11月3日、写真の分野では初めてとなる文化勲章を受章されました。この受章は、写真家として独自の世界を確立し、現役を貫いて精力的に作家活動を続けるとともに、写真界や大学において後進の育成や写真家の地位向上にも尽力され、その発展向上に貢献されてきたことによるものです。なお、同様の理由で2019年度の朝日賞特別賞を受賞されました。

 1929年、東京・浅草の営業写真館に生まれた氏は、東京写真工業専門学校(現・東京工芸大)を卒業後、サン・ニュース・フォトスに入社、木村伊兵衛に師事して写真の道に入ります。小説家や画家などのポートレイト、武蔵野、東京の下町風景、子どもの世界、ヨーロッパ古寺巡礼、戦争や自然災害に苦しむ難民キャンプの子どもたちなど、実に多くの対象にレンズを向けて、写真表現の可能性にエネルギッシュに挑戦し続けて70年余、今なお現役で活躍されています。
 田沼氏の基底にあるものは、生まれ育った「東京」の原風景ですが、報道写真家を志した原点は、大空襲の炎を辛くもかいくぐり、一夜にして灰塵と化したわが街東京を目の当たりにした16歳の生々しい記憶にあります。一歩ずつ活気を取り戻していく街の路地には、必ず失意の底から立ち上がり必死に生き抜こうとする人々のたくましい姿があり、氏が撮り続けてきた大都市東京の復興と発展は、常にそこに息づく「人の営み」と表裏をなしています。
 本展では、田沼氏がそのファインダーを通して真摯な眼差しで見つめ続けた「人」を軸に、「戦後東京」の復興、「大都市東京」の発展・変貌をとらえた力作をセレクトし、半生を振り返ります。


プロフィール

田沼 武能 (たぬま たけよし)

撮影:東松友一

田沼 武能 (たぬま たけよし)
1929年東京・浅草生まれ。東京写真工業専門学校卒業。1949年にサン・ニュース・フォトスに入社して木村伊兵衛氏に師事。『藝術新潮』嘱託などを経て1959年からフリーランスとなる。1965年、アメリカのタイム・ライフ社と契約。ライフワークとして世界の子どもたち、人間のドラマ、武蔵野や文士・芸術家の肖像を撮り続けている。1995年から2015年まで(公社)日本写真家協会会長を務める。1979年モービル児童文化賞、1985年菊池寛賞を受賞。1990年紫綬褒章、2002年勲三等瑞宝章を受章、2003年文化功労者に顕彰され、2019年には写真家として初めて文化勲章を受章。2020年朝日賞特別賞を受賞。
一般社団法人 日本写真著作権協会 会長
日本写真保存センター 代表
東京工芸大学芸術学部写真学科 名誉教授



企画展名 FUJIFILM SQUARE 企画写真展
田沼武能写真展「わが心の東京」
開催期間 2020年6月9日(火)~2020年7月9日(木)
開館時間 10:00~19:00 (最終日は14:00まで/入館は終了10分前まで)
会場 富士フイルムフォトサロン 東京 スペース1・2、ミニギャラリー
入場料 無料
※ 企業メセナとして実施しており、より多くの方に楽しんでいただくために入場無料にしております。
主催 富士フイルム株式会社、朝日新聞社
企画 株式会社クレヴィス


富士フイルムフォトサロンは、公益社団法人企業メセナ協議会より芸術・文化振興による豊かな社会づくりの取り組みとして認定されました。

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