写真歴史博物館 企画写真展
ここに人間味あふれる写真家がいます。
秋山亮二「津軽・聊爾(りょうじ)先生行状記」

  • 国より叙勲、授章の栄誉受けたるお二人の
    合同祝賀会は市民文化会館にて展開。
    〈津軽・聊爾先生行状記〉より
    写真:秋山亮二 ©Ryoji Akiyama
    ※本展では展示作品すべてに秋山自身による擬古文調の文章が添えられています。

  • 林檎の花咲きそむ五月。没交渉とする人ありとも、
    その微笑み見逃すべからず。
    〈津軽・聊爾先生行状記〉より
    写真:秋山亮二 ©Ryoji Akiyama
    ※本展では展示作品すべてに秋山自身による擬古文調の文章が添えられています。

  • 旧制H高等学校記念祭に集いし面々。
    その奥深き思い誰ぞ知る。
    〈津軽・聊爾先生行状記〉より
    写真:秋山亮二 ©Ryoji Akiyama
    ※本展では展示作品すべてに秋山自身による擬古文調の文章が添えられています。

  • 成人式記念植樹は県木のヒバの苗木と定まる。
    寒風の中、若人の意気軒昂なり。
    〈津軽・聊爾先生行状記〉より
    写真:秋山亮二 ©Ryoji Akiyama
    ※本展では展示作品すべてに秋山自身による擬古文調の文章が添えられています。

  • 「天皇在位五十年奉祝大会」は、平和公園にて
    皇居の方角を定めて厳粛に開催。
    〈津軽・聊爾先生行状記〉より
    写真:秋山亮二 ©Ryoji Akiyama
    ※本展では展示作品すべてに秋山自身による擬古文調の文章が添えられています。

  • 「旅は道連れ、世は情け」。城址公園を歩む二人の
    後ろ姿のアズマシサ(かっこよさ)よ。
    〈津軽・聊爾先生行状記〉より
    写真:秋山亮二 ©Ryoji Akiyama
    ※本展では展示作品すべてに秋山自身による擬古文調の文章が添えられています。

 秋山亮二(1942— )は戦後日本を代表する写真家の一人です。国内外での旅や滞在を通じ、各地で出会った人々や風景を独特の距離感と間合いでとらえた写真は、国際的にも高く評価されています。

 秋山はAP通信社東京支局、朝日新聞社写真部に勤めたのち、1967年にフリーランスの写真家となりました。当初はフォトジャーナリストの視点で、インドの飢餓や離島の八丈島の過疎化といった社会問題を積極的に取材していましたが、ジャーナリストという職業が自分に不向きであることを徐々に自覚したことで、もっと自分の周りをよく見ることの大切さに気づき、旅先や滞在先で出会う人々に心を寄せ、その光景を温かな眼差しでとらえる写真へと作風を変化させていきました。

 〈津軽・聊爾先生行状記〉は1978年に自身初の写真集として発表された、秋山の初期の代表作です。独立して7年が経過した頃、しばらくの間、東京を離れて暮らしたいと思い立った秋山は、ユニークな発想のもと、新たな作品づくりに取り組み始めます。それは「仮想の支局長として自らを地方都市に派遣し、その暮らしを仮想の本社へ写真でリポートすることで、何か見えてくるのではないか」という試みでした。家族とともに1975年夏から1977年春にかけて青森県弘前市に移り住んだ秋山は、仮想の役割を担い、津軽の地で過ごした月日と、出会った人々を愛情ゆたかに、軽やかに写真で記録していきました。これらの写真群は、戦後の高度経済成長を糧に発展する地方都市の文化をとらえつつ、一時ながら、同じ時間と場所に生きた津軽の人々の日常と人生の機微を、そして彼らに心を重ねようとする写真家の人間味あふれる視点を映し出しています。

 作品名にある「聊爾(りょうじ)先生」の「聊爾」とは、軽率・不作法などを意味する言葉で、秋山自身が本名の「亮二」という音に当て、生来の気質を自嘲的に、遊び心たっぷりに表現したものです。また一葉一葉の写真には、秋山の愛読書である江戸中期の滑稽本、十返舎一九の『東海道中膝栗毛』の文体を模した、秋山自身による擬古文調のユーモアに満ちた文章が添えられています。これらの言葉遊びは、秋山の写真にさらなる楽しみと味わいを加え、唯一無二の豊かな世界を作り上げています。

 本展は、1975年から約2年にわたり撮影された写真家・秋山亮二の傑作〈津軽・聊爾先生行状記〉より、精選した30点を新たに制作したオリジナルプリントで展示いたします。撮影から40年以上が経過した今、時代の変化とともに、写真も技術的・思想的に大きな変革を遂げました。しかし、1970年代の津軽で撮られた秋山の写真には、一瞬を記録するという写真の原点が鮮やかに表現され、その時、その場所でしかとらえることのできない時代と、一期一会の人々の人生が刻み込まれています。秋山がとらえた日本の古き良き時代の空気、人間同士の心が通い合う温かさは、ある世代には懐かしく、ある世代には新鮮に映り、現代を生きる私たちに新たな眼と、安らぎの時を与えてくれることでしょう。

 人間味あふれる写真家・秋山亮二の、ユーモアに満ちた温かな世界をどうぞお楽しみください。


プロフィール

秋山亮二 (あきやま りょうじ/1942— )
1942年、東京に生まれる。父は写真家の秋山青磁(1905—1978)。1964年、早稲田大学文学部卒業後、AP通信社東京支局、朝日新聞社写真部を経て、1967年にフリーランスの写真家となる。フォトジャーナリストの視点で国内外の社会問題を積極的に取材し、作品を発表。1974年、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の企画展「New Japanese Photography」に森山大道、深瀬昌久らとともに出品。
その後、アメリカや中国、日本各地での旅や滞在を通じてとらえたユニークな作品を発表し、独自の写真世界を確立した。主な写真集に『津軽・聊爾先生行状記』(津軽書房、1978年)、『ニューヨーク通信』(牧水社、1980年)、『楢川村』(朝日新聞社、1991年)、『なら』(遊人工房、2006年)、訳書に『アメリカの世紀 1900-1910 20世紀の夜明け』(西武タイム、1985年)、エッセイ集に『扇子のケムリ』(法曹会、2014年)がある。MoMA、東京都写真美術館、青森県立美術館などに作品が収蔵されている。
近年、1983年に刊行された写真集『你好小朋友—中国の子供達』の復刻版と、同シリーズの未発表作をまとめた『光景宛如昨—中国の子供達II』(いずれも青艸堂)が日本と中国で刊行されて大きな反響を呼び、再評価が進んでいる。



企画展名 FUJIFILM SQUARE 写真歴史博物館 企画写真展
ここに人間味あふれる写真家がいます。
秋山亮二「津軽・聊爾(りょうじ)先生行状記」
開催期間 2021年1月4日(月)~2021年3月31日(水)
開館時間 10:00~19:00 (最終日は16:00まで/入館は終了10分前まで) 会期中無休
会場 FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア) 写真歴史博物館
作品点数 小全紙サイズ・30点(予定)
入場料 無料
※ 企業メセナとして実施しており、より多くの方に楽しんでいただくために入場無料にしております。
主催 富士フイルム株式会社
後援 港区教育委員会
企画 フォトクラシック

※ 写真展・イベントはやむを得ず、中止・変更させていただく場合がございます。予めご了承ください。


【写真展関連プログラム】
インタビューシリーズ 第4弾「〈津軽・聊爾先生行状記〉を語る」(仮題)

写真家・秋山亮二氏へのインタビュー記事を公開いたします。
2月上旬以降、本ウェブサイトに掲載予定です。


<写真歴史博物館>
~ 170年を越える写真の変遷を中心とした展示 ~

貴重なアンティークカメラやフジフイルムの歴代カメラの展示に加え、歴史的に価値のある写真を展示する企画展も定期的に開催しております。写真の文化、カメラの歴史的進化をご覧いただける希少価値の高い博物館です。170年を越える写真文化の変遷をぜひお楽しみください。

イベントも同時に開催!

【イベント】 毎日開催!申込不要の解説会(無料)

毎日、15:30からの約30分で、写真の歴史と企画展について富士フイルムのOBが分かりやすく解説いたします。是非ご参加ください。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、開催を中止しています。

日時毎日 15:30~ (約30分/土・日・祝 含む)(年末年始除く)
会場写真歴史博物館 ※ 館内での開催のため座席はございません。
参加無料
申し込み不要

【イベント】 ご希望日時指定!チェキ撮影体験あり「体験型 写真の歴史を旅するツアー」(無料)

5名様以上で事前にお申し込みいただければ、ご希望の時間帯(開館時間内)でチェキ撮影の体験等もついた、体験型ツアー(45分間)をお楽しみいただけます。お気軽にお申し込みください。
社会科見学、修学旅行、班別研修等でも多くの方にご参加いただいています。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、開催を中止しています。

希望の時間で申し込める!チェキ撮影体験あり「体験型 写真の歴史を旅するツアー」(5名以上の申し込み)

対象団体(5名~15名程度)の皆様
(人数が多い、または、少ない場合はご相談ください)
費用無料
所要時間45分
申込方法申込用紙(PDF)をダウンロードいただき必要事項をご記入の上、FAXでお申し込みください。

FAX 03-6271-3352

※電話でもお受けしております。
TEL 03-6271-3350 (10:00~18:00)

お問い合わせ先FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)
〒107-0052 東京都港区赤坂9丁目7番3号 (東京ミッドタウン・ウエスト)
TEL 03-6271-3350 (10:00~18:00)

※15:30~16:00以外のお時間でお申し込みください。また、コンシェルジュに他のツアーの予定が入るなどの都合により、ご希望の日時に添えない場合もあります。お早めにご相談ください。

フジフイルム スクエアとは?

富士フイルム株式会社東京ミッドタウン(東京都港区)にある、写真のことがいろいろ学べる施設です。

写真歴史博物館とは?

フジフイルム スクエアの中に、「写真歴史博物館」という写真の歴史を学べる博物館があります。
昔のカメラのレプリカなどで、「写真の生い立ち」を学べます。

体験型 写真の歴史を旅するツアー 内容

話を聞くだけでなく、実物を見たり、 レプリカに触れたり、チェキの撮影をしていただくなど、参加者の皆様に、「体験」していただきながら写真の歴史が学べます。
富士フイルムOBであるコンシェルジュが、豊富な写真の知識をもとに、わかりやすく解説します。
社会科見学、修学旅行、班別研修等でも多くの方にご参加いただいています。

コンシェルジュ

富士フイルムで写真製品の研究や開発などを長年行ってきた富士フイルムのOBです。



写真歴史博物館は、2020年、公益社団法人企業メセナ協議会より、「芸術・文化振興による社会創造活動」として「THIS IS MECENAT 2020」の認定を受けております。

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