「平成・東京・スナップLOVE」
ポートフォリオレビュー/ファイナル・セレクション展

Vol.1山端拓哉「ロシア語日記」

©Takuya Yamahata

写真展を見る

企画展名

FUJIFILM SQUARE 企画写真展
「平成・東京・スナップLOVE」 ポートフォリオレビュー/ファイナル・セレクション展
Vol.1 山端拓哉「ロシア語日記」

会場・開催期間

富士フイルムフォトサロン 東京
2020年8月28日(金)~2020年9月10日(木)

写真家コメント

今回の作品は、ロシアに語学留学に行っているときの写真が、中心になっている。
旅行写真ではなく、また生活写真でもない、その狭間を作品にしたい。
私は日本でも最近ロシア語で、日記を書いている。
日本での生活でさえ、ロシアと密接に関わっていて、これからもロシアとの関係は続く。
ロシア語日記は、どんどんページ数を増やす。

選評

<尾仲浩二選評>
山端くんはロシアが好きだからロシアへ何度も行く。カメラとフィルムを持って。
気になるものは何でも撮ってくる。
フィルムを現像する。
思っていたほどイイ感じには写ってなかったけれど、思ってもいなかったものがイイ感じに写っていたりする。
暗室でプリントをする。
ホントはこんな色じゃなかったけど、こんな色でも悪くないなと思う。
それが楽しくてまたロシアに撮りに行く。
山端くんが写真を楽しんでいる事がストレートに伝わってきたんです。

Vol.2小西拓良「笹舟」

©Takuro Konishi

写真展を見る

企画展名

FUJIFILM SQUARE 企画写真展
「平成・東京・スナップLOVE」 ポートフォリオレビュー/ファイナル・セレクション展
Vol.2 小西拓良「笹舟」

会場・開催期間

富士フイルムフォトサロン 東京
2020年9月11日(金)~2020年9月24日(木)

写真家コメント

写っているのは妻です。僕たちにコウノトリは来ないまま、二人の生活は18年になりました。思い描いていたのとはずいぶん違った人生になってしまいましたが、僕たちは時の川を笹舟の様に流れていきます。

選評

<中藤毅彦選評>
とある夫婦のささやかな生活を精緻に描いたモノクロームのプリントは限りなく美しい。
夫が妻を見つめる視線は愛に満ち、また妻がカメラの前で自然に無邪気な姿を見せるのも夫を心から信頼しているからこそであろう。
だが、見る者は、どこか憂いを秘めた妻の表情の奥に、不思議な寂しさが漂うのに気がつくだろう。
「笹舟」と言う象徴的なタイトルに込められた、幸福と哀しみの相半ばする二人の感情こそが、この作品の核なのである。

Vol.3阪東美音「メロウ」

©Mio Sakato

写真展を見る

企画展名

FUJIFILM SQUARE 企画写真展
「平成・東京・スナップLOVE」 ポートフォリオレビュー/ファイナル・セレクション展
Vol.3 阪東美音「メロウ」

会場・開催期間

富士フイルムフォトサロン 大阪
2020年10月2日(金)~2020年10月15日(木)

写真家コメント

現役の女子高生から20歳くらいを対象とし、制服を着せて撮影しました。
この作品は私が学生の時に受けた嫌がらせやSNSを見ていて感じたことがイメージに影響しています。SNSに悪口など見たくないことが投稿されていても、見ておきたくなってしまいます。だから写真のような場所に行くとそういう環境から逃げられる気がしました。周りに合わせるのがしんどくなったからメイクを薄くしました。落ち着ける環境を写真の中から作っていこうとしたのが制作しはじめたきっかけです。

選評

<元田敬三選評>
ポートフォリオレビューを通して多くの方々と直接出会う機会があり、みなさまの写真や現実に対する真剣な姿勢に驚かされました。阪東さんの作品の動機は自分自身の内面の諸問題でしょうか。内面は写真に写りませんから(前提として。たまに写る気がする)、内なる事を外界へ繋げ、他者を巻き込んでいく様はまさに写真のなせる技。写真は目の前にある現実しか写せませんから。この展示をきっかけに作家本人も見る側も発見の連続が始まるはずです。

Vol.4前川朋子「涯ての灯火(ともしび)」

©Tomoko Maekawa

写真展を見る

企画展名

FUJIFILM SQUARE 企画写真展
「平成・東京・スナップLOVE」 ポートフォリオレビュー/ファイナル・セレクション展
Vol.4 前川朋子「涯ての灯火(ともしび)」

会場・開催期間

富士フイルムフォトサロン 大阪
2020年10月2日(金)~2020年10月15日(木)

写真家コメント

2015年からわたしは、自分の娘とその周辺の景色を撮影し続けてきた。
些細な日常の出来事も、娘は、忘れてしまいたいことさえも鮮明に覚えていて、突然それに苛まれることがあるという。当のわたしは、忘れたくないことでもすぐに忘れていく一方だ。
同じ時間を過ごしているはずなのに、私たちの間には互いに相容れないずれ、眼に見えない「裂け目」のようなものがあるように思う。
写真を知り、より深く眼差す試みの中で、些細な日常の写真がこの「裂け目」のプラットホームとなり、他人同士の経験と記憶を育てるのかもしれない、という気づきをえて、小さな灯火が自分の中に灯されていく、そういう感覚をおぼえた。
この灯火が、まだ見知らぬ地平を、ささやかに照らしうることをいつも信じている。

選評

<大西みつぐ選評>
「葛藤」は写真作業の途上でさらに大きくなっていくものだ。しかし、個に立ち返り「世界」を見つめていく自由をも同時に獲得していくことになる。さらに「世界」はこちらをも凝視する。前川さんの写真は「我が家のアルバム」には残らない互いの呟きやもどかしさを溢れるほど積み込み、私たちがこの時代に生きねばならない確信を提示してくれている。
それは「愛しさ」という感情が地味ながらも着実に未来を照らしているということ。そこに向かって歩くしかないということ。



ページトップへ