富士フイルムフォトサロン企画展 鍵井靖章写真展「3.11- あの日から」

海底に沈んだままの軽ワゴン車

長靴の中に棲むフサギンポ

海藻に産み付けられたクジメの卵塊

扇風機の羽の上で、擬態しているアサヒアナハゼ

車のタイヤに繁茂する天然のコンブ

あの日から、3年が経過した。
震災の海は、今の地球にとって、ある意味特別な存在となっている。
私がいつも潜っている岩手県北部のある場所では、震災直後から今日に至るまで、瓦礫の撤去作業はまったく行われておらず、海底の時間はあの日から止まったままだ。
3年間、定期的に水中撮影を行ってきたが、車や家電製品などいつも同じ場所で出会うものも多い。
私はそんなものたちと、本来の持ち主とは違う時間を共有した。
人が災害を受け入れて、新しい生活に順応していくように、海底に沈んだものにも生き物たちが寄り添う。
そして、3年という年月を内包した震災の海は、私の前に新しい世界の造形物として現れた。


プロフィール

鍵井靖章(1971年生まれ)
  大学在学中から水中写真家・伊藤勝敏氏に師事し水中写真を志し、オーストラリアなどでダイビングガイドをする傍ら水中写真を撮り続ける。1998 年フリーの写真家として独立。独特の世界観でプランクトンからクジラまで水中のありとあらゆるものを撮影している。第15回アニマ賞受賞

開催期間 2014年3月7日(金)~3月20日(木)
開館時間 10:00~19:00(入館は18:50まで/最終日は16:00まで)
会場 富士フイルムフォトサロン スペース2
作品点数 約30点(予定)
入場料 無料

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