この写真展・イベントに関するご意見・コメント
半世紀を超えて
ニックネーム:BAKER (60代以上の男性)
私はまだ高校生だった。
1960年3月のある日、下宿生活の乏しい財布からバスと国鉄中央線の切符を買
って日本橋高島屋へ意気揚々と乗り込んだ。
憧れの「マグナム世界写真展」。
当時では珍しかったカラープリントでエルンスト・ハースの闘牛・・・スローシャ
ッターで色を滲ませた技法に度肝を抜かれ、ロバート・キャパの「ナチの協力者」
に恐れをなし、イヴ・アーノルドの「彼の人生第一歩」に生命のぬくもりを覚え、
デニス・ストックの「アメリカのジャズ」のタイムズスクエアに憧れ、ダイナミッ
クで精緻なアンセル・アダムスの「カリフォルニアの山々」に息を呑み、何よりも
嬉しかったのは、準会員とは云え当時東洋人として唯一参加していた濱谷浩の見慣
れた裏日本からの抜粋・「田植え女」を会場に見つけたことだった。
2時間ほども矯めつ眇めつした挙句、帰路の電車賃をはたいて写真展の冊子を求め
た。朱色に近い濃いオレンジ色の表紙のその冊子はマグナム創世記からようやく青
年期になった当時の作品を今私の手元で再現してくれている。
ナマのプリントが今また私達の目を捉えようとしている。
この機会を逃せようはずもなく、和歌山から上京予定。
アラブ展とセットで観ました
森美の「アラブ・エクスプレス」を見たあと、こちらの展覧会を見ました。
イスラエルについて考えていたところ、キャパの「イスラエル建国」を見て、さらに複雑な気分になりました。
彼らがMAGNUMで守ってきたことについても、2つ続けて見たことでより理解できたような気がします。