富士フイルムが運営する写真展(東京・六本木)

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富士フイルムが運営する写真展(東京・六本木)

「長屋」 長崎・平戸 1972年
写真:北井一夫 ©Kazuo Kitai

写真家がカメラを持って旅に出た
北井一夫「村へ、そして村へ」

フジフイルム スクエア 写真歴史博物館 企画写真展

2021年4月1日(木)~2021年7月19日(月)

写真歴史博物館

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本写真展は、新型コロナウイルス感染症対策による臨時休館のため、会期を変更いたしました。

見どころ

第1回木村伊兵衛写真賞受賞作〈村へ〉と続編〈そして村へ〉から約30点を精選、貴重なヴィンテージプリントで展示。高度経済成長の1970年代、都市への集中化に逆行するように、「村」という対象を選び、そのありふれた日常光景を静かに丹念にとらえた。

写真展について

北井一夫 (1944—) は戦後日本を代表する写真家です。人の生活にテーマを置き、時代を的確にとらえた作品は国内外で高く評価され、現在も国際的に注目を集めています。

写真家・北井一夫の〈村へ〉は『アサヒカメラ』1974年1月号から1975年12月号まで、全24回にわたって連載された作品です。1970年代、日本の意識が急速に都市へと集中していった時代、それと逆行するように「村」という対象を選び、「稲刈りのあと」「湯治場」「雪の中で」「田舎道」「お盆」など、何でもない日常を写した新しい視点は大きな話題を呼びました。この連載が評価され、北井は第1回木村伊兵衛写真賞を受賞。その続編となる〈そして村へ〉は、同誌1976年1月号から1977年6月号まで連載されました。1976年には同誌10月増刊として写真集『村へ』が、また1980年には一連のシリーズを再編集した写真集『村へ』(淡交社)が発表されました。同作は、その後も編集を変えながら写真集や写真展で繰り返し発表され、現在まで途切れることなく注目されてきた稀有な作品です。

北井は1964年、横須賀基地の原子力潜水艦寄港阻止のデモを撮影した写真集『抵抗』(未來社、1965年)を自費出版し、これを写真家の出発点として活動を始めました。その後も過激派の学生運動の渦中で写真を撮り『アサヒグラフ』などで活躍。しかし北井の興味は、やがて闘争そのものから、活動する人々の日常へと移行していきます。1969年、成田空港建設に反対する三里塚の農民を取材した写真集『三里塚』(のら社、1971年)では、農民と同じ立場に立ち、日常をとらえた視点と表現が評価され、日本写真協会新人賞を受賞。北井はこの時の取材で、被写体となる人々に寄り添い、その生活を撮るという独自の撮影姿勢とテーマを見出しました。写真家の温かい眼差しはその後の作品にも一貫し、〈村へ〉でも崩壊直前の農村のありふれた光景が静かに、丹念にとらえられています。

本展は、第1回木村伊兵衛写真賞受賞作である写真家・北井一夫の時代を超えた名作〈村へ〉と、その続編〈そして村へ〉の一連の作品群から、約30点を精選し、貴重なヴィンテージプリント※で展示いたします。撮影当時、時代の意識と真逆にあった「村」という対象は、時を経て、その時代を象徴するものとなり、何気ない日常の光景は、より一層、記録ということの重みを感じさせるものとなりました。デジタル写真やSNSが社会に浸透し、写真の撮り方や見方、表現の仕方が大きく変わった現在、約半世紀の時を経たヴィンテージプリントは、記録するという写真の原点、写真家の視点を表現するという写真の本質を、さらに強く訴えかけてくることでしょう。

人と出会い、時代を記録してきた写真家・北井一夫の名作をどうぞご堪能ください。

  • ヴィンテージプリント … 撮影から数年以内に本人によって制作され、それから相当の年月を経た、貴重で美的価値の高いプリントのこと。写真家の撮影当時の思想を最もよく反映するものとしても重要視される。

プロフィール

北井一夫

Kitai kazuo

1944年、中国鞍山に生まれる。1965年、日本大学芸術学部写真学科中退。同年、『抵抗』(未來社)を自費出版。1969年、成田空港建設に反対する三里塚の農民を取材し、1972年、写真集『三里塚』(のら社)にて日本写真協会新人賞受賞。1976年、『アサヒカメラ』誌に連載したシリーズ「村へ」にて第1回木村伊兵衛写真賞受賞。主な展覧会に「タイムトンネルシリーズ Vol.20 北井一夫〈時代と写真のカタチ〉」(ガーディアン・ガーデン、2004年)、「いつか見た風景」(東京都写真美術館、2012年)など。主な写真集に『村へ』(淡交社、1980年)、『新世界物語』(長征社、1981年)、『フナバシストーリー』(六興出版、1989年)、『いつか見た風景』(蒼穹舎、1990年)、『1970年代NIPPON』(冬青社、2001年)、『流れ雲旅』(ワイズ出版、2016年)、『過激派の時代』(平凡社、2020年)など。エッセイ集に『写真家の記憶の抽斗』(日本カメラ社、2017年)がある。

写真展概要

企画展名 フジフイルム スクエア 写真歴史博物館 企画写真展
写真家がカメラを持って旅に出た
北井一夫「村へ、そして村へ」
開催期間 2021年4月1日(木)~2021年7月19日(月)
開館時間 10:00–19:00(最終日は16:00まで、入館は終了10分前まで) 会期中無休
会場 FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア) 写真歴史博物館
入場料 無料

※ 企業メセナとして実施しており、より多くの方に楽しんでいただくために入館無料にしております。

作品点数 四切サイズ・約30点(予定)
主催 富士フイルム株式会社
協力 株式会社朝日新聞出版
企画 フォトクラシック

※写真展・イベントはやむを得ず、中止・変更させていただく場合がございます。予めご了承ください。

イベント・コンテンツ

写真展関連プログラム

本写真展を記念して、特別ゲストへのインタビュー記事を公開いたします。
インタビューシリーズ・第5弾「写真に撮るべきもの ― 〈村へ〉の時代と作品を語る」

ゲスト : 北井一夫 氏
(写真家)

<本プログラムについて>

フジフイルム スクエアは、価値の高い写真作品を銀写真プリントで展示し、ご来館者に写真作品との出会いの場をご提供しています。また、作品への理解をさらに深めていただくために、ギャラリートークや講演会等の鑑賞サポート活動に力を入れており、2019年度には1万4千人以上の方々にご参加いただきました。 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年度からは写真展会場で行う鑑賞サポート活動は見合わせておりますが、新たな関連プログラムとして、特別ゲストへのインタビュー記事を公式ウェブサイトにて公開しています。 会場で写真展をご鑑賞いただいた方に加え、ご来館されていない方にも写真の魅力や作品制作の背景、作家の意図等への理解を深め、お楽しみいただける機会となれば幸いです。また、本インタビュー記事が写真の価値を将来に伝えていくための有益な資料となることを願っています。

写真歴史博物館

~ 190年を越える写真の変遷を中心とした展示 ~

貴重なアンティークカメラや富士フイルムの歴代カメラの展示に加え、歴史的に価値のある写真を展示する企画展も定期的に開催しております。写真の文化、カメラの歴史的進化をご覧いただける希少価値の高い博物館です。190年を越える写真文化の変遷をぜひお楽しみください。

MECENAT
写真歴史博物館は、2020年、公益社団法⼈企業メセナ協議会より、「芸術・⽂化振興による社会創造活動」として「THIS IS MECENAT 2020」の認定を受けております。