振り返えれば、写真を撮るために、どれだけの土地、どれだけの人々と出会ったことだろう。
そして、気がついて自分の撮った作品をまとめて見ると、自然に「自分の好きな場所」「何かを感じる場所」に通い、季節を変え、時間を変え、撮り続けていた。

そこは、どんな「いぶせし場所」でも、私にとって「まほろばの土地」であり「心の風景」でもある。
いいかえれば、自分が意識しないで、自然にテーマができあがり、それを追求してきたような気がする。これも働きながら、許された休日にしか自由な時間がとれない身には、仕事がらみで地方に行くときには、間に休日をはさみ、まわりの人々の理解に助けられながら、撮影時間を捻出して撮った作品である。

それらの「日本列島」を北から南まで縦断した作品の数々をご覧いただければ幸いです。

注）いぶせし　［古語］さえない　　　　まほろば　［古語］すばらしい