始めてオーロラを見た時の感動は今でも忘れられない。その時のオーロラは今まで言われて来た「光のカーテン」と言うより，天から放たれた「光の矢」が地上に向けて突き刺さるような印象だった。1999年に始めて訪れたカナディアンロッキーの町【バンフ】を散歩していたときの事だった。

その後オーロラ撮影の為に北上し北極圏近くで出会ったオーロラはバンフの町で見たオーロラとは全く違った姿をしていた。それはまるで天使が夜空で奏でる光の鍵盤のようで、次から次へと叩かれる光は空中を駆け巡りドラムに合わせて鳴り響く交響曲のようだった。それでいて全く音が聞こえないのが不思議でならなかった。夢中でシャッターを切った。いったい何本のフィルムを使ったのか解らない。それ以来オーロラは私を虜にした。

今回の写真展はオーロラの色と景色にこだわり今まで撮りためた写真を公開致します。
デジタルが主流になりつつある昨今すべてフィルムで撮影した写真展になります。オーロラの色が奏でる光のシンフォニーをぜひお楽しみ下さい。

内野志織