大峰山脈を中心とした奈良県南部山岳地域では、日本有数の多雨地帯であるため湿潤な森において様々な種類の樹木や花、そして森の恵みを受けて生きる多くの動物、鳥の姿を見ることができます。
しかし山は急峻で谷は深く、気象条件も厳しく容易に人が近づけない場所も多く、撮影機材を持って入る場合、しっかりした体力と集中力が必要となり、限られた時間の中で撮れる地域はおのずと絞られてきます。
そうしたなかで、四季を通じて繰り返しこの地域に通いつめていく中で見えてくるものがあり、自然が見せてくれる風景、あるときは神様が見せてくれる素晴らしい光景に出会った時、シャッターを切った後、思わず「ありがとう」と叫ばずにはいられません。
そういった作品も含めて、今回ご覧いただく作品から、奈良の山岳地帯の素晴らしさと奥深さ、山と渓谷の空気感を感じていただければ、そして、この素晴らしい自然はぜひ我々が後世に残していかなければならい、そんな気持ちになっていただければ幸いです。
ぜひ、ご高覧ください。

米谷昌浩