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- 夏休み特別イベント【生物がつくる形のふしぎ】 写真展「放散虫」~ 小さな ふしぎな 生き物の 形 ~
夏休み特別イベント【生物がつくる形のふしぎ】
写真展「放散虫(ほうさんちゅう)」
~ 小さな ふしぎな 生き物の 形 ~
FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)は、2019年8月9日(金)~8月22日(木)まで、夏休み特別イベント【生物がつくる形のふしぎ】と題して、写真展「放散虫」を開催いたします。
海をプカプカとただよう生きもの「プランクトン」。そのなかに「放散虫」という生物がいます。全長は最大でも数ミリほどと小さく、単細胞の原生生物ですが、複雑で美しく、多様性があり、目を引くふしぎな形の「骨格」をもちます。
また、我々ヒトをふくむ脊椎動物や一部の無脊椎動物の骨格は主な成分がリン酸カルシウムなのに対し、放散虫の骨格は、石英やガラス製品と同じ物質の二酸化ケイ素(SiO2)でできています。なぜこのような骨格をもつに至ったのか、進化のふしぎを感じざるを得ません。
放散虫は、5億年前の地層からも化石が見つかっていて、地質時代を含めると1万種以上にもなります。まだ学名がついていないものも多くいます。この多様性も魅力で、これからの研究がたいへん期待されています。
その形は昔から人々の心を引きつけてきました。ドイツの生物学者エルンスト・ヘッケル(1834~1919年)の描いた詳細なスケッチは有名で、今年はヘッケル没後100年にあたり、世界初※の写真絵本『ほうさんちゅう ちいさな ふしぎな 生きものの かたち』も刊行される、放散虫にとって記念すべき年でもあります。
本展の見どころは、この驚くべき放散虫の骨格を、研究用に「電子顕微鏡」で撮影した写真です。骨格は1ミリにも満たない大きさですが、拡大することで肉眼では知り得ない世界が広がります。美しい大伸ばし写真プリントで、その「造形美」をあますところなく観賞できることでしょう。この写真は、1993年に潜水艇「しんかい6500」が、深度6000メートルを超える海底から持ち帰った石より取り出した化石で、中生代白亜紀のものです。状態がたいへんよい、世界的にも貴重な資料です。放散虫をテーマにした写真展は、世界初※となります。
会場での体験イベントとして、生きている放散虫の映像を見たり、放散虫の立体模型に触れたり、骨格を顕微鏡で観察・スマートフォンで撮影することができます。また、小・中学生向けに配布する書き込み式リーフレット「放散虫~生物がつくる形のふしぎ」を読めば、展示内容への理解が深まり、自由研究にも役立つと考えます。さらに、子どもから大人まで楽しめる「切り紙で放散虫」の作り方リーフレットも配布いたします。様々な角度から、放散虫の世界を体感いただける展示です。
会期中には、放散虫研究の第一人者、新潟大学教授・松岡篤先生による進化や飼育実験にまつわるお話、放散虫の世界に詳しい造形作家・横山隼氏による生物の形と造形についてのお話など、トークイベントも開催いたします。
放散虫は、現在も世界中の海、もちろん身近な日本の海にもたくさんいます。こんな生きものがくらす世界がすぐ近くにあるという驚きを多くの方に知っていただき、自然がつくりあげた形やデザインの美しさを堪能していただくとともに、電子顕微鏡という技術にも触れて科学のおもしろさにときめいてもらえたらと願います。子どもたち一人ひとりが、この写真展から受けた衝撃は、生命の神秘、進化のふしぎに心を向けるきっかけとなるでしょう。
※ 2019年 新潟大学 形の科学研究センター 松岡篤教授 調査による
主催 : 富士フイルム株式会社
企画 : STUDIO PORCUPINE (スタジオポーキュパイン)
後援 : 株式会社アリス館 ・港区教育委員会
協力 : 新潟大学・形の科学会・RC GEAR(アールシーギア)・ミクロワールドサービス・株式会社東京印書館
東京写真展
タイトル | 夏休み特別イベント【生物がつくる形のふしぎ】 写真展「放散虫」 ~ 小さな ふしぎな 生き物の 形 ~ |
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開催期間 | 2019年8月9日(金)~2019年8月22日(木) 2週間・会期中無休 | ||||||||||
開館時間 | 10:00~19:00 (最終日は16:00まで/入館は終了10分前まで) | ||||||||||
会場 | フジフイルム スクエア (富士フイルムフォトサロン 東京 スペース2) | ||||||||||
入場料 | 無料 | ||||||||||
イベント |
1.トークイベント 対象:大人から子供まで
2.自由研究用リーフレット配布 対象:小・中学生
会場 : 富士フイルムフォトサロン 東京 スペース2 写真展会場内 |
※ 展示会場の様子は、ご自由に撮影いただけます。SNSなどに、ぜひ感想をご投稿ください。
なお、作品の1枚撮り(複写)・動画・他の来館者様の撮影はご遠慮ください。
大阪巡回展
開催期間 | 2019年9月13日(金)~2019年9月19日(木) | |
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開館時間 | 10:00~19:00 (最終日は14:00まで/入館は終了10分前まで) | |
会場 | 富士フイルムフォトサロン 大阪 | |
入場料 | 無料 | |
イベント |
放散虫の専門家のお話
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※ 展示会場の様子は、ご自由に撮影いただけます。SNSなどに、ぜひ感想をご投稿ください。
なお、作品の1枚撮り(複写)・動画・他の来館者様の撮影はご遠慮ください。
■ 体験イベント
松岡 篤 (まつおか あつし)氏 プロフィール
1958年 兵庫県生まれ。アンモナイトの研究者を目指して大阪市立大学に入学。在学時に放散虫の研究が日本の地質の認識を大きく変えた「放散虫革命」に遭遇し、放散虫研究を開始する。
プレートテクニクス分野の付加体研究で理学博士の学位取得。1987年 新潟大学講師に着任、助教授をへて2002年より教授。2014-2017年 国際放散虫研究者協会会長をつとめる。
横山 隼 (よこやま はやと)氏 プロフィール
生物造形作家、ジュエリーデザイナー。「手のひらの博物館」をコンセプトに、骨格をはじめとして、さまざまな生物の美しくて興味深い「造形」を銀細工にしている。その造形は「博物学」から見ても正確であることを目指し、複数の博物館の展示模型も製作している。放散虫の複雑で繊細な形に魅入られ、研究者とともに銀や樹脂を使って立体にしている。
写真絵本『 ほうさんちゅう ちいさな ふしぎな 生きものの かたち 』
(表紙デザインは変わることがあります)
2019年7月、アリス館より刊行予定
制作 : STUDIO PORCUPINE (スタジオポーキュパイン)
「FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)の活動」は、公益社団法人企業メセナ協議会※主催の「メセナアワード2018」において、優秀賞「瞬間の芸術賞」を受賞しました。
①「富士フイルムフォトサロン」の運営、②「写真歴史博物館」の運営、③「フジフイルム・フォトコレクション」の収蔵・展示の3つの総合的な活動が評価されたものです。
※ 企業による芸術文化支援(メセナ)活動の活性化を目的に1990年に設立された、日本で唯一のメセナ専門の中間支援機関。