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写真歴史博物館 企画写真展
音楽を奏でる写真たち 木之下 晃「世界の音楽家」
木之下 晃(1936–2015)は1960年代からおよそ半世紀にわたり、音楽の世界を写真で表現しつづけてきた写真家です。「音楽写真」という未開拓のジャンルを切り拓き、第一人者として国内外で活躍した木之下は、ヘルベルト・フォン・カラヤン、マリア・カラス、小澤征爾ら、世界の名だたる巨匠たちを撮影。その作品は「音楽が聴こえる」と絶賛され、写真界と音楽界の両面から、国際的にも高い評価を得てきました。
木之下は1936年、長野県諏訪市に生まれました。子どもの頃、新聞記者だった父の暗室作業を見て初めて写真の世界に触れた木之下は、登山に熱中した学生時代に山小屋でクラシック音楽と出合います。その後、中日新聞社を経て、博報堂でカメラマンとして仕事をするかたわら、音楽への造詣を深め、「音楽写真」という独自の写真表現を確立。1973年にフリーランスの写真家として活動を始めました。
音楽を主題とした木之下の撮影テーマは多岐にわたります。音楽家のオフショットや世界各地の華麗なオペラハウス等の劇場、作曲家の足跡を辿る旅など、音楽の世界を多彩に写真で表現してきました。その真骨頂ともいえるのが、音楽家たちの演奏シーンをとらえた写真です。雄壮な指揮者のダイナミックな動き、情感に満ちた演奏家たちの繊細な一瞬をとらえた写真は、彼らの精神や哲学、音楽の本質までをも表現する稀有なものとして多くの音楽家たちから愛され、木之下のもとにはいくつもの撮影依頼が舞い込んできたといいます。これらの作品は、木之下の音楽に対する深い理解と豊かな感性、写真にかける飽くなき情熱、そして被写体となった音楽家たちとの固い絆から生まれた奇跡の賜物でした。
本展では、音楽写真家・木之下 晃の数ある傑作の中から、作家本人の手によるオリジナル・プリントを中心に、ゼラチン・シルバー・プリント約30点を厳選して展示いたします。木之下は生前、一貫してアナログの表現にこだわり続け、フィルムカメラで撮影する理由を「シャッターチャンスの緊張感がもつ精神性にある」と説いていました。また、暗室作業から生まれるゼラチン・シルバー・プリントは「永続性」に価値があるとして、印画紙でのプリント制作に徹しました。現在、写真はデジタル全盛の時代にありますが、木之下のアナログにこだわった写真表現は、私たちに写真の本質と魅力をあらためて伝えてくれることでしょう。
写真と音楽の世界に新たな領域を切り拓いた音楽写真家・木之下 晃。写真と音楽の織りなす奥深い世界をどうぞお楽しみください。
プロフィール
木之下 晃 (きのした・あきら/1936—2015)
1936年、長野県に生まれる。日本福祉大学卒業。中日新聞社、博報堂を経て、1973年、フリーランスの写真家となる。1971年『音楽家~音と人との対話~』(私家版、1970年)により日本写真協会新人賞受賞。1986年『世界の音楽家』(全3巻、小学館、1984年)により芸術選奨文部大臣賞受賞。2005年、日本写真協会賞作家賞受賞。2006年、紺綬褒章受章。2008年、第18回新日鉄音楽賞・特別賞受賞。2010年、「木之下晃アーカイヴス」を設立。2009年より日本福祉大学客員教授。長野県茅野市で公募写真展「寿齢賛歌」を立ち上げるなど、写真文化の普及にも尽力した。2015年、虚血性心不全により逝去。享年78。現在も各地で写真展が開催され、音楽関連の媒体を中心に作品が掲載されるなど、音楽を記録した写真への再評価が高まっている。
企画展名 | FUJIFILM SQUARE 写真歴史博物館 企画写真展 音楽を奏でる写真たち 木之下 晃「世界の音楽家」 |
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開催期間 | 2020年10月1日(木)~2020年12月28日(月) |
開館時間 | 10:00~19:00 (最終日は16:00まで/入館は終了10分前まで) 会期中無休 |
会場 | FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア) 写真歴史博物館 |
作品点数 | 約50点 |
入場料 | 無料 ※ 企業メセナとして実施しており、より多くの方に楽しんでいただくために入場無料にしております。 |
主催 | 富士フイルム株式会社 |
特別協力・監修 | 株式会社木之下晃アーカイヴス |
企画 | フォトクラシック |
※ 写真展・イベントはやむを得ず、中止・変更させていただく場合がございます。予めご了承ください。
【写真展関連プログラム】
本写真展を記念して、特別ゲストへのインタビュー記事を公開いたします。
インタビューシリーズ・第3弾
「写真家・木之下晃の人と作品を語る」
インタビュー記事を読む (PDF:8.0MB)
ゲスト : 木之下 貴子 氏
(株式会社 木之下晃アーカイヴス)
<本プログラムについて>
フジフイルム スクエアは、価値の高い写真作品を銀写真プリントで展示し、ご来館者に写真作品との出会いの場をご提供しています。また、作品への理解をさらに深めていただくために、ギャラリートークや講演会等の鑑賞サポート活動に力を入れており、2019年度には1万4千人以上の方々にご参加いただきました。
現在は新型コロナウイルスの影響で、写真展会場で行う鑑賞サポート活動は見合わせておりますが、新たな関連プログラムとして、特別ゲストへのインタビュー記事を公式ウェブサイトにて公開してまいります。
ご来館いただき写真展をご鑑賞いただいた方にも、ご来館されておられない方にも写真の魅力を知っていただき、作品制作の背景や意図等への理解を深め、お楽しみいただける機会となれば幸いです。また、本インタビュー記事が写真文化の価値を将来に伝えていくための有益な資料となることを願っています。
<写真歴史博物館>
~ 170年を越える写真の変遷を中心とした展示 ~
貴重なアンティークカメラやフジフイルムの歴代カメラの展示に加え、歴史的に価値のある写真を展示する企画展も定期的に開催しております。写真の文化、カメラの歴史的進化をご覧いただける希少価値の高い博物館です。170年を越える写真文化の変遷をぜひお楽しみください。
イベントも同時に開催!
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5名様以上で事前にお申し込みいただければ、ご希望の時間帯(開館時間内)でチェキ撮影の体験等もついた、体験型ツアー(45分間)をお楽しみいただけます。お気軽にお申し込みください。
社会科見学、修学旅行、班別研修等でも多くの方にご参加いただいています。新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、開催を中止しています。
希望の時間で申し込める!チェキ撮影体験あり「体験型 写真の歴史を旅するツアー」(5名以上の申し込み)
対象 団体(5名~15名程度)の皆様
(人数が多い、または、少ない場合はご相談ください)費用 無料 所要時間 45分 申込方法 申込用紙(PDF)をダウンロードいただき必要事項をご記入の上、FAXでお申し込みください。 申込用紙(PDF:156KB)
FAX 03-6271-3352
※電話でもお受けしております。
TEL 03-6271-3350 (10:00~18:00)お問い合わせ先 FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)
〒107-0052 東京都港区赤坂9丁目7番3号 (東京ミッドタウン・ウエスト)
TEL 03-6271-3350 (10:00~18:00)※15:30~16:00以外のお時間でお申し込みください。また、コンシェルジュに他のツアーの予定が入るなどの都合により、ご希望の日時に添えない場合もあります。お早めにご相談ください。
フジフイルム スクエアとは?
富士フイルム株式会社東京ミッドタウン(東京都港区)にある、写真のことがいろいろ学べる施設です。
写真歴史博物館とは?
フジフイルム スクエアの中に、「写真歴史博物館」という写真の歴史を学べる博物館があります。
昔のカメラのレプリカなどで、「写真の生い立ち」を学べます。体験型 写真の歴史を旅するツアー 内容
話を聞くだけでなく、実物を見たり、 レプリカに触れたり、チェキの撮影をしていただくなど、参加者の皆様に、「体験」していただきながら写真の歴史が学べます。
富士フイルムOBであるコンシェルジュが、豊富な写真の知識をもとに、わかりやすく解説します。
社会科見学、修学旅行、班別研修等でも多くの方にご参加いただいています。コンシェルジュ
富士フイルムで写真製品の研究や開発などを長年行ってきた富士フイルムのOBです。
写真歴史博物館は、2019年、公益社団法人企業メセナ協議会より、「芸術・文化振興による社会創造活動」として「THIS IS MECENAT 2019」の認定を受けております。
毎日、15:30からの約30分で、写真の歴史と企画展について富士フイルムのOBが分かりやすく解説いたします。是非ご参加ください。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、開催を中止しています。