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- フジフイルム スクエア 企画写真展 立木義浩写真展「遍照」 ~世界遺産 東寺~
ラージフォーマットデジタルカメラGFXで迫る、立体曼荼羅の宇宙
フジフイルム スクエア 企画写真展
立木義浩写真展「遍照(へんじょう)」
~世界遺産 東寺~
長きにわたり日本の写真界の第一線で活躍し、今なお果敢に新たな表現に挑みつづける写真家立木義浩が、世界遺産である真言宗総本山 東寺〔教王護国寺〕の仏像群を、富士フイルムのラージフォーマットデジタルカメラ“FUJIFILM GFX100、GFX100S”で撮影した、モノクロ作品展を開催します。
真言密教の教主である大日如来の別名にして、空海の灌頂(かんじょう)名でもある「遍照金剛(へんじょうこんごう)」。その意味は「この世の一切を遍(あまね)く照らす不滅なもの」です。真理は目に見えなくてはならないとする密教の精神を顕す「両界曼荼羅図(りょうかいまんだらず)」を立体で表現した仏像群を見渡し、立木の琴線に触れた瞬間を集めた本展が、いにしえから光溢れる世界を願ってきた人々の心に出合う機会となれば幸いです。
■ 本展の見どころ
1998年、立木義浩は東寺を撮影。東寺を訪れるなりこの寡黙にして雄弁な被写体に魅せられて撮影にのめり込み、これを写真集『東寺―生命の宇宙』(集英社)にまとめました。
それから20年余りが経ち、再び東寺を訪れたその手には、ラージフォーマットデジタルカメラGFXシリーズがありました。フィルムカメラとデジタルカメラの大きな違いの一つは、高感度性能。デジタルカメラの特性を存分にふまえ、光の少ない闇の中でも時には手持ちで軽やかに、時には三脚を立ててじっくりと、融通無碍(ゆうずうむげ)に、心と体の赴くままに、広大な立体曼荼羅の中を縫うように歩き回り、独自のライティングとアングルにより、誰も見たことのない仏像の姿を明らかにしました。さらに、GFX100に新たに搭載された“ピクセルシフトマルチショット”機能による「4億画素」での撮影にも挑み、世界最高レベルの画質で立体曼荼羅を再現します。
確かな身体感覚が捉える一瞬の閃きでシャッターが押されるとき、立木にしか見つけられない世界が現れるのです。その一枚一枚は、かつての作品とはまた異なる趣で、より精彩に仏像と空間に宿る生命感を伝えてくれます。
■ 世界遺産 東寺と「両界曼荼羅図(りょうかいまんだらず)」について
東寺は平安遷都から2年後の796年に建立されました。その10年後、空海は密教という新しい仏教を唐から持ち帰り、823年に嵯峨天皇より託された東寺を真言密教の根本道場とします。日本で初めての密教寺院が誕生したのです。
密教における唯一最高の仏、大日如来を中心に諸尊が整然と並ぶ「両界曼荼羅図」は、悟りの境地である宇宙の真理、理想の世界をわかりやすく描いたものです。これを立体的に表したものが東寺の講堂に安置された仏像群。その一部を成す「五大明王」や「五大菩薩」など、東寺には国宝や重要文化財が多く残り、1994年には世界文化遺産に登録されました。
「一瞬一瞬 発見したい」 立木義浩氏 最新作を語る
フジフイルム スクエア 企画写真展
立木義浩写真展「遍照(へんじょう)」 ~世界遺産 東寺~
写真展開催記念インタビュー動画
FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)は、フジフイルム スクエア 企画写真展 立木義浩写真展「遍照」 ~世界遺産 東寺~の開催を記念し、立木義浩氏に、被写体である東寺の仏像群に対する想いや撮影についてお話いただく動画を公開しました。
2020年暮れから2021年初春、3度にわたり、東寺を訪れ、立体曼荼羅を撮影した立木氏。富士フイルムのラージフォーマットデジタルカメラGFXシリーズで新たな表現に果敢に挑んだ最新作を紹介しながら、含蓄ある独特の語り口で本写真展の世界観を解説します。この動画をご覧の上、写真展を鑑賞いただくことで、本展をより深く楽しんでいただくことができます。また、ご来館が難しい方や遠方の方にも、この動画が、立木氏の撮影にかける思いや創作の裏側をご理解いただく機会になれば幸いです。皆さま、どうぞお楽しみください。
■ Web動画ストーリー
動画では、立木義浩氏が「東寺への想い」そして、被写体である仏像群に、静物でありながら「スナップポートレート」として向き合うアプローチについて語ります。さらに、「創作の裏側」については、「動かない仏様だからこそ、一瞬一瞬発見を求める気持ちが強かった」という撮影現場での感覚を、作品を交えて紹介しています。立木氏の琴線に触れた瞬間が、作品としてどのように生み出されていったかを垣間見ることができる見応えのある内容です。「国宝を、拝観者がいない夜間に撮影する」という制約の多い現場で「ラージフォーマットデジタルカメラGFXシリーズ」の機動力を生かした撮影秘話も見どころです。
世界文化遺産とSDGs ―― 持続可能な開発目標向けて
SDGs(エスディージーズ)(Sustainable Development Goals)(サスティナブル ディベロップメント ゴールズ)とは、 2015年に国連総会で採択された、2030年までに国際社会が社会課題として取り組むべき「持続可能な開発目標」です。貧困、不平等・不正義の是正、健康、教育、働きがい、気候・環境など17の目標と169のターゲットが定められています。本展に関連する取り組みとして、目標11「住み続けられるまちづくりを」の中に、ターゲット4「世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する」が掲げられています。歴史上に貴重ながら、損傷や破壊の危機に瀕する世界文化遺産を守り、後世に残していく活動が求められています。著名写真家たちの写真を通じて、世界文化遺産・SDGsについて考えるきっかけになれば幸いです。
プロフィール
立木 義浩
立木 義浩 (たつき よしひろ)
1937年徳島県生まれ。1958年広告制作会社アドセンター設立時にカメラマンとして参加。1969年、フリーランスに転身。女性を中心に、著名人の撮影を多数手がける。同時に世界中でスナップ写真を日常的に撮り続け、多くの作品を世に送り出す。1965年に第9回日本写真批評家協会新人賞、写真集に『マイアメリカ』『東寺』など、2012年『Tōkyōtō』、2016年『動機なき写真 just because』、2018年『舌出し天使』、2019年『20C』、2020年『Afternoon Paris』他多数。
企画展名 | フジフイルム スクエア 企画写真展 立木義浩写真展「遍照」 ~世界遺産 東寺~ |
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開催期間 | 2021年6月11日(金)~2021年6月30日(水) |
開館時間 |
10:00~19:00 (最終日は16:00まで/入館は終了10分前まで) 会期中無休 ※ 最終日は6月30日(水)16:00までですので、ご注意ください。 |
会場 | FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)内、富士フイルムフォトサロン 東京 スペース1・2・ミニギャラリー |
入館料 | 無料 ※ 企業メセナとして実施しており、より多くの方に楽しんでいただくために入館無料にしております。 |
作品点数 | 約50点(予定) |
主催 | 富士フイルム株式会社 |
特別協力 | 真言宗総本山 東寺〔教王護国寺〕 |
企画 | テンポラリー・コンテンポラリー |
後援 | 世界遺産リレー催事実行委員会、(一社)世界文化遺産地域連携会議 |
※ 写真展はやむを得ず、中止・変更させていただく場合がございます。予めご了承ください。
■ 富士フイルムグループの長期目標の設定について
近年、持続可能な開発目標(SDGs*1)やパリ協定*2 など、社会課題解決を目指した国際的な長期目標や提言が相次いで発表されており、そうした社会課題解決のプレーヤーとして、企業への期待がますます高まっています。当社CSR計画「Sustainable Value Plan 2030(SVP2030)」では、こうした背景から、SDGsやパリ協定など、グローバルな目標達成への貢献を目指し、2030年度をターゲットとした長期目標を設定しました。
富士フイルムグループは、SDGs達成に向けて大きく貢献できる目標を17の中から10を特定し、具体的な取り組みを目標に盛り込んでいます。
*1 SDGs(エスディージーズ)(Sustainable Development Goals)(サスティナブル ディベロップメント ゴールズ): 2015年に国連総会で採択された、2030年までに国際社会が社会課題として取り組むべき「持続可能な開発目標」。貧困、不平等・不正義の是正、健康、教育、働きがい、気候・環境など17の目標と169のターゲットが定められている。
*2 パリ協定:2015年にパリで開催された第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択された、気候変動抑制に関する多国間の国際的な合意協定。地球の気温上昇を産業革命前から2℃未満に抑えることが掲げられている。
富士フイルムフォトサロンは、2020年、公益社団法人企業メセナ協議会より、「芸術・文化振興による社会創造活動」として「THIS IS MECENAT 2020」の認定を受けております。