自己紹介をお願いします。
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写真家の岡本洋子です。私は東邦大学 理学部生物学科を卒業し、ベンチャー企業に12年間勤めました。その後、渋谷の写真専門学校の夜間部で写真を勉強し、卒業後は専門学校の校長をされていた秋山庄太郎先生のスタジオでアシスタントを経験しました。スタジオを卒業後は、富士フイルム主催の写真教室「アカデミーX」や、カメラメーカーの写真セミナー講師をしています。また、「こだわり花クラブ」という写真教室を主宰しているほか、フォトコンテストの審査員を務めるなど、写真に関係した仕事をしています。
写真家になるきっかけは何ですか。
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会社勤めをしていたころから、写真には興味がありました。当時はフィルムカメラの時代でしたので、カメラにリバーサルフィルムを詰め、バックパッカーとしてひとりで、ニュージーランドに出かけ、広大な大地の広がる美しいニュージーランドで、露出などの知識は全くわからないまま撮影をしていました。
バブルがはじけて会社が倒産した後、本格的にカメラの勉強をしてみたいと思い、渋谷の写真専門学校に入学しました。卒業後、校長を務めていらっしゃった秋山庄太郎先生に「アシスタントをやらないか」とお誘いをいただいてスタジオ入りし、秋山先生の撮影を間近で見ることができました。秋山先生は人物撮影の草分け的な存在で、晩年はライフワークで花も撮影されており、アシスタント業務はとても勉強になりました。
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私自身は小さいころから血液の機能に興味を持ち、生物に関する本を読んだり、犬や猫、鳥を飼っていたりしていました。図鑑をボロボロになるまで見ていたのも、今思い返すと、自然が好きだったことのあらわれだと思います。花や植物をメインに撮影したのも、「好き」だったことが理由です。
秋山先生のもとではポートレート写真を勉強していたので、スタジオ卒業後も、歴史上の人物の末裔を撮影する人物撮影の仕事を1年程担当させていただきました。その仕事を通じて、撮影時間や撮る状況を自分でコントロールできない、という人物撮影の難しさを経験しました。私は、人物を撮影するときに目線をもらうと緊張してしまうシャイな性格なため、ポートレートではなく花や植物を撮影することを選びました。
長い間、花をメインに撮影されていますが、花をライフワークにした理由は何でしょうか。
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花や植物が好きだからです。豊かな花の形やバリエーションに惹かれ、花そのものを撮ろう、と思っていました。撮影していくにつれ、段々と花に対する見方が広がってきました。例えば、花の生育場所や撮影条件を加味して撮影すると、とても面白く感じました。また、花の写真に自分の想いをのせて、被写体とオーバーラップさせながら撮影できるのではないかと考えていくと、さらに花の撮影が面白くなりました。このようにして、花が私のメインモチーフになりました。