ウォルター・ウィック氏からのメッセージ
こんにちは、ウォルター・ウィックです。かくれんぼ絵本『ミッケ!』シリーズの作者です。 私のスタジオへようこそ。今、東京のフジフイルム スクエアで、私の写真展を開催しています。ぜひご覧ください。残念ながら私は会場に伺えませんので、代わりにこの動画で、私の『ミッケ!』の仕事についてご紹介します。では、始めましょう。
30年近く愛用していたカメラです。『チャレンジミッケ!』シリーズの第1作からこのカメラを使っていました。でも、今はデジタルカメラを使っています。これが今、私が愛用しているカメラです。最新作の『チャレンジミッケ!へんてこりんなおみせ』にもこのカメラを使用しました。 模型も自分で作っています。これは、本の中に登場する「へんてこりんなおみせ」のミニチュア模型です。アンティークの小道具や、古道具屋さんで見つけたものも好きなので、よく使います。
『チャレンジミッケ!』の第1作に使用したフィルムです。大きいサイズのフィルムです。当時は、撮影後の写真を加工したりすることは、あまりできませんでした。現在も場面の設定や撮影をすべてこのスタジオ内でやっていますが、デジタル撮影になってからは、撮影後にいろいろな修正ができるようになりました。例えばこの写真では、照明を消したり、窓の外の空を消すなどの補正や加工を行うことができます。
デジタル技術を使うようになった今も、加工ではなく、スタジオで実際に魔法を仕掛けるのが好きです。この写真はどんな仕組みが隠されているか、お分かりになりますか。タネ明かしに、私が手を置いてみましょう。わかりましたか?
本日は私の写真展にお越しいただき、ありがとうございます。どうぞゆっくりお楽しみください。
ぼくの難問は『ミッケ!』のタイトルだった。
最初に『ミッケ!』の見本を預かったときのことは、いまでもよく憶えている。「翻訳」については、慣れない仕事になるけれど、このめずらしいゲームには参加してみたいという気にもなっていた。しかしねぇ“I SPY”というタイトルをどう訳せばいいんだ。それがなによりの難問だった。いやぁ、いまさらながら、よくもまぁなんとかできたと思う。“ミッケ!”かよ、だ。あのときのじぶんをほめてやりたい。「写真展」って、あの『ミッケ!』の写真が、大きな画面で目の前に広がるんでしょう?
それは、「やれたらいいに決まってる」ようなことだぞ。
―― 糸井重里