「日本木造遺産」千年の建築を旅する 撮影・藤塚光政

平等院 鳳凰堂 宇治市

浄土寺 浄土堂 小野市

さざえ堂 会津

大瀧神社 越前市

 わが国の伝統木造建築は天災や戦火にもろく、近代の実用多層化には不向きだった。しかし、明治以後、それを克服するはずの西洋技術でつくられた建築の寿命は、せいぜい100~140年にすぎない。一方、日本伝統木造建築は、何百年、千何百年前の姿のままで現存している。つまり、今も往時のまま空間体験できる現代の建築であり、次の世代に受け渡すべき「未来建築」なのだ。
 日本人は小さな修理で建築の部材を替え、中修理で柱・梁をすげ替え、大規模な修理で屋根を修復するなど、30年、50年のスパンで、技と建築を継承してきた。また、建築資材が育つなんて、木以外にはあり得ない。先人たちは、木と人を同時に育ててきたのである。たぶん木造建築を、代謝や循環を繰り返す「生物」のように考えていたのだろう。
 この写真展を通じて、日本木造建築の美しさや知恵とともに、遠い昔から続く「木」を循環させる思想に、誇りをもってほしいと願っている。

写真家・藤塚光政


開催期間 2016年4月1日(金)~2016年4月7日(木)
開館時間 10:00~19:00 (最終日は16:00まで/入館は終了10分前まで)
場所 富士フイルムフォトサロン スペース1
入場料 無料
作品点数 サイズ(半切2枚組)・カラー約60点
後援 (株)世界文化社 (有)東京カラー工芸社 (株)フレームマン

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