富士フイルムが運営する写真展(東京・六本木)

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富士フイルムが運営する写真展(東京・六本木)

ポートフォリオレビュー/アワード 2022
受賞者紹介・プロセス動画

Vol.1 藏澄侑希「Labyrinthラビリンス(推薦写真家:大西みつぐ)

時々、迷宮の中へ迷い込んだような感覚に陥ることがある――という作者。遊園地や動物園、公園で1人取り残されたように撮影を続けられてきました。どこか不思議で奇妙な独特の世界がモノクロームによって描き出されています。

出展者コメント

幼い頃からADHD(注意欠如・多動症)で、僕はよく迷子になった。
大人になった今も失踪願望を抱いている。何かに集中してしまうと周りが見えなくなり、迷宮に迷い込んだような感覚に陥る。その瞬間、周りの空間や関係性から逃れられたような安心感を覚える。僕だけの世界、僕だけのラビリンス。一人残されるようなその気持ちが心地良い。

大西みつぐ選評

記録性に根ざしながらも危うさがあり、社会的な不安を反映しているように見える。非日常的な物の見え方が面白く、見る人がさまざまなイメージを持てる点を評価した。
写真に奥深さがあり、視覚的な冒険をも感じさせてくれる。

プロセス動画

プロフィール

藏澄侑希 (くらずみ ゆうき)
1989年 山口県生まれ
日本大学藝術学部 写真学科卒業
元「週刊女性」編集部専属カメラマン
日本雑誌協会 編集委員長賞受賞

Vol.2 杉村友弘「友」 (推薦写真家:高砂淳二)

イルカに魅せられて、15年間追い続けた貴重なシーンの数々。遊び、共に泳ぎ、時には邪魔されながらも普段見ることのできないイルカの表情や仕草、行動が切り取られています。
そこには「友」として過ごしてきた時間がしっかりと刻まれています。

出展者コメント

イルカと出合うために伊豆諸島の御蔵島(みくらじま)に15年間通った。
イルカからコミュニケーションの取り方を学び、遊び、会話しながら、共に泳いで友だちになった。
時には、イルカに撮影の邪魔をされたこともあった。
イルカが私だけに見せてくれたさまざまな表情や仕草、行動を切り取った。

高砂淳二選評

イルカを愛し、御蔵島に通い続けて15年。一緒に遊ぶように、しっかりとコミュニケーションを取りながら撮影しているのが良く分かる。イルカとの距離感が良く、なかなか出会えないような、貴重なシーンに圧倒された。

プロセス動画

プロフィール

杉村友弘 (すぎむら ともひろ)
1982年 広島県生まれ
2007年 初めてイルカと泳ぎ、イルカと見つめ合いその瞬間を写真に収めたことをきっかけに写真を本格的に始める。
主にイルカとクジラを撮影し、技術向上のため風景やダンス等も撮影する。
2011年 富士フイルムフォトコンテスト 第51回 自由写真部門 金賞受賞
2014年 地球の海フォトコンテスト 2014年 エリア賞 タヒチ賞受賞
2018年 日本テレビ「所さんの目がテン!」第1422回 イルカの科学 映像提供

Vol.3 水野景子「“Tokimekiトキメキmomentモーメント(推薦写真家:尾仲浩二)

海外への旅は、“非日常空間”への旅であるとも言えます。驚きや感動で五感がフルに回転する中、大きく心が動いた瞬間に切られたシャッター。10年間の旅でコンパクトカメラによって写し出されたワクワクやトキメキは、写真の面白さをダイレクトに伝えてくれます。

出展者コメント

“Just around the corner” 角を曲がると、見えてくる景色。
コンパクトなフィルムカメラを片手に、ヨーロッパやオセアニアを中心に世界を旅した。
この10年間で、思うままに歩いて巡り逢った風景や、街角で出逢った人々の姿。
私の心が“ときめいた瞬間”をフィルムに収めた。

尾仲浩二選評

作品にまとまりがあり、ドラマを感じる。また、素直さと楽しさが伝わってくる。興味あるものをドキドキして撮る、という姿勢も良い。展示を作りあげていくことを考えると、10年分の作品量にも期待ができる。

プロセス動画

プロフィール

水野景子 (みずの けいこ)
1980年 岐阜県生まれ
2002年~看護師として総合病院にて働く。
2010年~ワーキングホリデーでニュージーランドへ行ったのを皮切りに、帰国後も日本で看護師の仕事をしながら、イギリスやアイルランドへの短期語学留学や福祉ボランティアの経験を経て、今に至る。
2021~2022年「LIFE,LOMO」(東京・ギャラリー世田谷233)出展
2022年「intersection14」(名古屋・#1010)出展、ほか出展多数。

Vol.4 李 一鳴「日没前に」 (推薦写真家:広川泰士)

留学先として選んだ日本で、言葉の代わりにカメラを通じたコミュニケーションを重ねて創り出された作品群。何度もシャッターを切るのではなく、一度しかシャッターを切らない作者の「ワンカット」は、一瞬をとらえるという写真の本質とともに「一期一会」の貴重さをも見るものに伝えてくれます。

出展者コメント

東京の下町を走り、100年以上の歴史がある都電荒川線。
その周辺を歩きながらそこで暮らす人たちにカメラを向けた。
地元の方との対話の中で気が付くこともある。
時代の流れの中で、もしかするとこの路線もいつか廃線となってしまうかもしれない。
住人も変わっていくだろう。
それでも、線路も人も、今、この時間に存在したという歴史は変わらない。

広川泰士選評

6×6判のフィルムカメラでとらえた、正統派ポートレート写真。写っている人の表情や、コミュニケーションの取り方が良い。
オーソドックスでありながら、ゆったりと撮っていることを感じさせ、作品から作者の人柄も伝わってくる。

プロセス動画

プロフィール

李 一鸣 (り いちめい)
1997年 中国・天津市生まれ
2020年 大学卒業後、東京へ留学。
以降、写真家として作品制作を行う。
2023年 武蔵野美術大学大学院 映像・写真コース在学中