富士フイルムが運営する写真展(東京・六本木)

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富士フイルムが運営する写真展(東京・六本木)

[Image]有田泰而「First Born」 ― 家族と遊ぶ時間 ―

FIRST BORN 3 July, 1973 © Taiji Arita

有田泰而ありたたいじ「First Born」 ― 家族と遊ぶ時間とき

フジフイルム スクエア 写真歴史博物館 企画写真展

2024年5月23日(木)~8月28日(水)(最終日は16:00まで)

写真歴史博物館

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見どころ

  • 写真家・画家として創作の喜びに生きた有田泰而の代表作「First Born」シリーズを中心に家族写真約20点を厳選。天真爛漫な遊び心に満ちた作品をお楽しみください。
  • 有田に師事した写真家上田義彦が焼き付けし、写真集『First Born』(2012)に入稿されたオリジナルプリントを展示。会場には、有田が生前に構想を記し、上田がこの写真集制作の参考にした貴重なノートも展示予定。時を超えた師弟のコラボレーションです。

写真展について

フジフイルム スクエア 写真歴史博物館では、写真家・画家として生きた有田泰而の代表作「First Born」シリーズを中心とする、稀代の家族写真を展示します。

広告写真家として活躍する傍ら、自らの美意識に忠実な創作に取り組んだ有田泰而。
1960年代後半から70年代半ば、彼が当時の妻ジェシカと第一子コーエンを撮影した写真の数々は、普遍的な愛や安らぎにとどまらない、撮る側と撮られる側、双方の無邪気な遊び心に満ちあふれています。その一連の作品は、編集者山岸章二によって見いだされ、1973年から1974年、『カメラ毎日』誌上で「First Born」シリーズとして発表されます。同誌には、シリーズの前身と言える妊娠中のジェシカの写真、家族の後日の姿を収めた写真も掲載されました。しかし、その後それらの作品が発表されることは長らくありませんでした。
再び日の目を見るのは2012年、有田がアメリカで亡くなった翌年のことです。若き日に「First Born」シリーズに憧れて有田の門を叩き師事した写真家上田義彦が、生前に有田が構想したノートをもとに、2か月近い格闘の末、印画紙に定着させました。30年の時を経た師弟の邂逅は、『カメラ毎日』誌上で発表された「幻の傑作」から新たにセレクトし75点を収めた写真集『First Born』と、同名の展覧会として結実します。
素の振る舞いと演出が混じる「遊戯」により、ポートレート、スナップ、パフォーマンスの要素が重なる有田泰而の家族写真。その瑞々しさと際立つ存在感は、「家族と遊ぶ時間とき」が有田、妻、子の自由の発露となっていたからかもしれません。

このシリーズはわたしたちふたりにとってたいへん貴重な経験です。お互いのコミュニケーションがよくいっているときには、ほんとにいい写真ができる。しかし問題はどんな写真ができたか、というだけにとどまりません。これはそのままわたしたちの人生(生活)に対する問いかけのようなものでもあります。

(ジェシカの「First Born」によせた言葉
『カメラ毎日』1974年5月号)

30数年ぶりに、師、有田泰而の残した写真と、暗室の中で2か月近く格闘しました。そのプリントたちとの奇跡の再会は、私に人生の不思議と奥深さを感じさせ、そして同時に、壮年期の有田泰而の姿や言葉を鮮明に思い起こさせてくれました。

(上田義彦)

プロフィール

有田 泰而 (ありた たいじ)

1941年、福岡県に生まれる。写真家、画家。小倉で育つ。中央大学法学部中退後、東京綜合写真専門学校で石元泰博に学ぶ。在学中から日本デザインセンターに在籍し、1967年、独立。ファッションやコマーシャルの写真を多数手がける。1973年~1974年『カメラ毎日』誌で当時の妻ジェシカと第一子コーエンを撮影した一連の作品、「First Born」を発表。1980年頃から撮影のかたわら油彩画を始める。1988年に画集『裸者の森』を発表。北米で数回の転居の末、2000年に北カリフォルニアのレッドウッドの森に移住し、妻とともにテント生活をしながら絵画や彫刻を制作。2011年7月17日、カリフォルニア州フォートブラッグにて没した。70歳。2012年、写真集『First Born』(赤々舎)刊行、写真展「First Born」(Gallery 916)開催。

上田 義彦 (うえだ よしひこ)

1957年、兵庫県に生まれる。写真家。多摩美術大学教授。福田匡伸、有田泰而に師事。1982年、独立。東京ADC賞、ニューヨークADC、日本写真家協会作家賞など、国内外のさまざまな賞を受賞。2011年にGallery 916を主宰。代表作に、『Quinault』、『AMAGATSU』、『at Home』、『Materia』、『A Life with Camera』、『FOREST 印象と記憶 1989-2017』、『Māter』、『いつでも夢を』などがある。また、2021年に公開された、映画『椿の庭』は大きな反響を呼び、映画監督としての活躍も注目されている。

写真展概要

企画展名 フジフイルム スクエア 写真歴史博物館 企画写真展
有田泰而「First Born」 ― 家族と遊ぶ時間 ―
開催期間 2024年5月23日(木)~8月28日(水)
開館時間 10:00-19:00(最終日は16:00まで、入館は終了10分前まで) 会期中無休
会場 FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア) 写真歴史博物館
入館料 無料

※ 企業メセナとして実施しており、より多くの方に楽しんでいただくために入館無料にしております。

作品点数 モノクロ、カラー、約20点
主催 富士フイルム株式会社
企画協力 有田雅子
企画 上田義彦/テンポラリー・コンテンポラリー

※ 写真展はやむを得ず、中止・変更させていただく場合がございます。予めご了承ください。

写真展関連プログラム

有田泰而「First Born」開催記念ギャラリートーク

2024年5月25日(土)15:00~16:00、フジフイルム スクエア 写真歴史博物館内にて、本展企画者でプリントを制作された写真家の上田義彦氏によるギャラリートークを開催した記録をお伝えします。

「大切な写真」上田義彦
- 師、有田泰而の「First Born」を語る -

ゲスト : 上田義彦 氏 (写真家)
聞き手・文章化 : 木本禎一 氏 (テンポラリー・コンテンポラリー)

<本プログラムについて>

フジフイルム スクエアは、価値の高い写真作品を銀写真プリントで展示し、ご来館された方々に写真作品との出会いの場をご提供しています。また、作品への理解をさらに深めていただくために、ギャラリートークや講演会などの鑑賞サポート活動に力を入れており、多くの方々にご参加いただきました。
会場で写真展をご鑑賞いただいた皆さまに加え、ご来館されていない皆さまにも写真の魅力や作品制作の背景、作家の意図等への理解を深め、お楽しみいただける機会となれば幸いです。また、本ギャラリートークが写真の価値を将来に伝えていくための有益な資料となることを願っています。

写真展併催イベント

上田義彦 ギャラリートーク

日時 2024年5月25日(土) 15:00~15:40

参加無料・予約不要

会場 フジフイルム スクエア 写真歴史博物館 写真展会場内
ゲスト 写真家 上田義彦 氏
聞き手 木本禎一 氏(テンポラリー・コンテンポラリー)
内容 師 有田泰而を語る

※ 座席はございませんので、予めご了承ください。
※ イベントはやむを得ず、中止・変更させていただく場合がございます。予めご了承ください。

ギャラリートーク

日時 2024年6月22日(土) 15:00~15:30

参加無料・予約不要

会場 フジフイルム スクエア 写真歴史博物館 写真展会場内
お話 木本禎一 氏(テンポラリー・コンテンポラリー)

※ 座席はございませんので、予めご了承ください。
※ イベントはやむを得ず、中止・変更させていただく場合がございます。予めご了承ください。

写真展一覧

写真歴史博物館

~ 190年を越える写真の変遷を中心とした展示 ~

貴重なアンティークカメラや富士フイルムの歴代カメラの展示に加え、歴史的に価値のある写真を展示する企画展も定期的に開催しております。写真の文化、カメラの歴史的進化をご覧いただける希少価値の高い博物館です。190年を越える写真文化の変遷をぜひお楽しみください。

MECENAT
写真歴史博物館は、2024年、公益社団法⼈企業メセナ協議会より、「芸術・⽂化振興による社会創造活動」として「THIS IS MECENAT 2024」の認定を受けております。