「名取洋之助写真賞奨励賞」受賞
鄒 楠 (すう なん)
「名取洋之助写真賞奨励賞」受賞
鄒 楠 (すう なん)
「燕郊物語-中国の白血病村」(モノクロ、30点)
「燕郊物語-中国の白血病村」(モノクロ、30点)
中国の北京と河北省の境にある「燕郊(えんこう)」という町には、中国で最も有名な血液病専門病院の一つ、「河北燕達陸道培醫院」がある。平均年収が3万5千元(70万円)と言われる中国で、約100万元(1,500万円)以上かかる白血病治療費は患者にとっての負担は大きい。中国北部の白血病治療で有名な病院は北京にあり、医療費・家賃も高く、郊外の燕郊は費用が安く抑えられるため、多くの患者と家族は河北燕達陸道培醫院を選ぶ。燕郊に住む患者の家族たちは出身地により「同郷会」という自救団体を設立し協力しあっている。中国ではこの小さな社会を「白血病村」と呼ぶ。
患者と「白血病村」に住む家族たちの生活を記録した作品であり、作者が「運命の不幸に対して、どうやって受けるのか、どうやって生きているのか」との問いに向き合える力作である。
1989年 | 中国江蘇省生まれ。33歳。 |
2018年 | 九州産業大学芸術学部写真映像学科卒業。 |
2020年 | 九州産業大学大学院 芸術研究科造形表現専攻 博士前期課程 修了。 |
2020年~ | 九州産業大学大学院 芸術研究科造形表現専攻 博士後期課程 在学中。 |
※ 本年度は、「名取洋之助写真賞」受賞の該当者はございませんでした。
名取洋之助 (なとり ようのすけ)
「報道写真家・名取洋之助」展(モノクロ、約20点)
「報道写真家・名取洋之助」展(モノクロ、約20点)
2004年、日本写真家協会が「名取洋之助写真賞」を設立。以来、多くの写真家に影響を与えてきました。その名取洋之助の世界を多くの方に体験いただきたく、今回特別に名取氏が長年にわたり撮影された作品の中から、選りすぐりの20点を展示いたします。
1910年—1962年。東京高輪生まれ。
ドイツに留学していた1930年代、ヨーロッパで勃興していたフォト・ルポルタージュをわが国に導入し、木村伊兵衛らと1933年「日本工房」を興す。その後、土門拳、藤本四八、亀倉雄策らと『NIPPON』を創刊し、フォト・ジャーナリズムを確立。
戦後、1947年に『週間サン・ニュース』を創刊。1950年に『岩波写真文庫』を創るなど、写真家であると同時にすぐれた企画、編集者として活躍。