富士フイルムが運営する写真展(東京・六本木)

  • 利用案内
  • 写真展・イベント
  • フジフイルム スクエアについて
JP / EN

富士フイルムが運営する写真展(東京・六本木)

[image]クワガタムシとカブトムシ

あなたはまだ知らない?
カブトムシ&クワガタムシの新トピックス

SHARE

夏休みも目前。キャンプやハイキングなど、アウトドアの予定を立てている人も多いのではないでしょうか。森や山でお子さんも大人も楽しめる遊びといえば、昆虫採集。生息環境を調べたり、飼育をして生態を観察したりと、小学生や中学生の自由研究にもぴったりです。

そこで今回は、日本の夏を代表する昆虫「カブトムシ」「クワガタムシ」の最新トピックスを紹介します。捕り方と飼い方についても触れていますので、昆虫への興味を深めるきっかけになれば、うれしいです!

昆虫について予習すれば、採集や観察の楽しみが広がるというもの。フジフイルム スクエアでは、2023年7月28日(金)~8月24日(木)に、昆虫の世界を探索する写真展「ジャン・アンリ・ファーブル生誕200年記念 今森光彦の地球昆虫紀行」を開催します。自由研究を応援するイベントも充実しているので、お子さんから大人まで楽しめますよ!

ツノが勇ましい昆虫のキング! カブトムシ

オスが立派なツノを持つカブトムシ。本州を中心に観察できるカブトムシは、ヤマトカブトムシとも呼ばれます。日本にはほかに、コカブトムシ・タイワンカブトムシ・クロマルカブトムシが生息していますが、生息環境や個体数が限られているため、目にする機会はほとんどありません。

ヤマトカブトムシは、自分の体重の何倍もある重さのものを投げる、運ぶといったことができる強さを持っており、ご存じのとおり、日本のカブトムシとしては大きさも最大級です。

  • [image]ヘラクレスオオカブト

    また、世界には、亜種を含めてなんと約1,300種のカブトムシがいるとされます。最大種はヘラクレスオオカブトで、体長17~18cm程度。そのほか、長いツノを3本持つコーカサスオオカブトや、黒色に輝くネプチューンオオカブトが、昆虫ファンの人気を集めています。

小学生が発見! カブトムシは昼間も活動する?

夜にクヌギの木に集まるカブトムシは、朝にはどこかへ隠れてしまうため、夜行性と思われてきました。しかし、埼玉県の小学生によって、特定の木では昼間も活動するという研究結果が報告され、それが2021年になんと米国の生態学専門誌にも掲載されたのです。

この小学生が着目したのは、庭のシマトネリコの木に、昼間もカブトムシが集まってきていたこと。そこで、個体ごとに印をつけて調査したところ、日中も活動していることが分かったそうです。
シマトネリコとは、沖縄や東南アジアが原産で、街路樹にも多い常緑樹。カブトムシが集まる木として、以前から知られていました。街でこの木を見つけたら、カブトムシをチェックしてみては!?

カブトムシが夜に活動するのは、オオスズメバチを避けるため?

ほかの研究では、夜にカブトムシが活動するのは、明け方から夕方に活動するオオスズメバチとのエサ場争いを避けるためではないか、と報告されています。

樹液場に集まるカブトムシを観察したところ、寄ってきた2~3匹のオオスズメバチがなんと10匹ほどのカブトムシを投げ落としてしまったのです。加えて人がオオスズメバチを追い払い続けてみたところ、多くのカブトムシが昼ごろまで樹液場にとどまったそうです。
これらの結果から、カブトムシが夜に活動するのは、オオスズメバチを避けるため、とも考えられるのです。
なお、このようにカブトムシのいる樹液場にはスズメバチも多くいるので、採集の際は注意しましょう!

土とエサがポイント! カブトムシの捕り方と飼い方

  • [image]カブトムシのエサとして昆虫ゼリー

    カブトムシは7~8月ごろにさなぎから成虫に羽化し、夜間にクヌギやコナラの木に集まります。昼間に樹液が出る木を調べておき、カブトムシが集まる夕方や夜、早朝に採集しましょう。バナナに砂糖や焼酎を混ぜた蜜を作って木につるす「バナナトラップ」を仕掛ける方法もあります。

    カブトムシの寿命はおよそ1年で、その多くの時間を幼虫期が占めます。さなぎから成虫になると、飼育下では、1~3か月ほど生きます。オスとメスを同時に飼えば卵を産むこともあり、卵(晩夏)→幼虫(秋~春)→さなぎ(初夏)→成虫と1年のサイクルをかけてカブトムシの成長する姿を観察できます。

カブトムシの飼い方としては、昆虫ケースに昆虫マットや腐葉土を敷き、止まり木や枯れ葉を入れましょう。中でもヒノキを使ったマットは、虫が湧きにくく、悪臭やカビを抑えます。

エサは果物を好みますが、市販の昆虫ゼリーのほうが長生きするといわれています。ケース内のコバエの発生を防ぐには、小穴が空いた虫よけシートをケースのふたに挟みましょう。

カブトムシの幼虫のエサは腐葉土などで、専用の菌床マットが適しています。成虫の大きさは幼虫期に取った栄養で決まるので、マットはたっぷりと入れ、フンが目立ってきたら交換しましょう。

飼育数の目安は、幅30cm程度の昆虫ケースに幼虫5~7匹程度です。ペットボトルを使って単頭飼育をすれば、土の中の環境が悪化したとき、その個体の分だけ菌床マットを交換すればよいというメリットがあります。

とがったアゴがカッコいい! クワガタムシ

オスのアゴが大きく成長するクワガタムシ。日本には亜種を含めると50種類以上のクワガタムシが生息しているといわれています。ただし、自然下で観察できるのは、ノコギリクワガタ・オオクワガタ・コクワガタ・ヒラタクワガタ・ミヤマクワガタでしょう。

また、世界には、亜種を含めて約1,200種類のクワガタムシがいるとされます。最大のクワガタムシは、ギラファノコギリクワガタで、体長は12cm程度。ほかにも、虹のような体色のニジイロクワガタや、巨大なアゴを持つメタリフェルホソアカクワガタなど、ユニークな種類が多いことで知られます。

  • [image]ノコギリクワガタ
    [image]ニジイロクワガタ
  • [image]ノコギリクワガタ
    [image]ニジイロクワガタ

まるで宝石! 金色に輝くゴージャスなクワガタムシ

  • [image]金色に輝くゴージャスなクワガタムシ
    [image]クワガタムシの金粉個体

    「金粉個体」と呼ばれる、金粉をまぶしたような体色のクワガタムシの個体が発見されることがあります。中でも見事なのが、2022年に沖縄県の高校生が採集したオキナワノコギリクワガタの金粉個体。体長は4cm程度で、光を帯びたような明るい体色が話題となりました。

    この高校生の調査では、クワガタムシの金粉個体の出現率は0.5%とのこと。200分の1というレアな確率ですが、根気よく探していたら、いつか遭遇できるかも!?

その姿にびっくり! 半分メスで半分オスのクワガタムシ

クワガタムシには、体の左右で性別が異なる、「雌雄モザイク」と呼ばれる突然変異の個体が見つかることがあります。

雌雄モザイクの個体は、アゴの一方が長く(オス側)もう一方が短い(メス側)ほか、触角や脚の特徴も左右でオスとメスに分かれています。ある博物館の発表によると、雌雄モザイクの発生率は10,000分の1以下だそうです。

長生きの個体は2~3年も! クワガタムシの捕り方と飼い方

多くのクワガタムシは、6~8月ごろ?にクヌギやコナラの林に生息しています。採集のポイントはカブトムシと同じですが、小さなウロ(洞、木の洞窟のこと)に隠れていることも多いので、採取には、傷つけないように先をヤスリなどで丸めた棒やピンセットがあると便利です。
クワガタムシの寿命は、種類によって異なります。飼育下で成虫として生きる期間は、ノコギリクワガタやミヤマクワガタは3~6カ月程度とされますが、コクワガタやヒラタクワガタ、オオクワガタは冬眠しながら2~3年生きることもあるそうです。また、幼虫の期間も個体によって異なり、幼虫の状態で1年または2年を過ごすものがいます。

クワガタの飼育方法は、カブトムシと同じです。産卵させて幼虫を飼育したい場合は、菌床マットに加えて、朽ち木を再現した産卵木を用意し飼育しましょう。

昆虫の魅力をもっと知りたいなら!

ジャン・アンリ・ファーブル生誕200年記念 今森光彦の地球昆虫紀行

2023年7月28日(金)~8月24日(木) フジフイルム スクエアにて開催

カブトムシ&クワガタムシのトピックス、いかがでしたか。「昆虫への観察眼や知識をもっと深めたい」と思ったあなたは、日本を代表する自然写真家・今森 光彦氏の写真展に足を運んでみませんか。昆虫のさまざまな表情を鑑賞しながら、自然の大切さを知ることができます。同時開催の夏休み自由研究イベント「昆虫のふしぎ」は、今森氏のギャラリートークなど、イベントが充実しています!ぜひお越しください。

■ 開催期間:2023年7月28日(金)~8月24日(木) 会期中無休
■ 開催場所:フジフイルム スクエア(東京ミッドタウン)
■ 会館時間:10:00-19:00(最終日は14:00まで。入館は終了の10分前まで)
■ 入館料:無料

[Image]ジャン・アンリ・ファーブル生誕200年記念 今森光彦の地球昆虫紀行

写真展一覧