主な星の名前・種類と見つけ方とは?
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空には数え切れないほどの星が輝いており、実はそれぞれに名前がつけられています。しかしすべての名前を覚えるのは至難の業。そこで以下では、特に有名で、星座を探すのに便利な星を8種類紹介します。天体観測がよりスムーズに行えるようになるので、ぜひチェックしてください。
なおフジフイルム スクエアでは、プロが撮影した美しい星の写真を展示。心に迫る神秘的な光景が広がります。ほかにも、随時さまざまなテーマでイベントを開催。詳細は以下のページからご確認ください。
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1. おとめ座のスピカ
1. おとめ座のスピカ
ラテン語で「麦の穂」という意味のスピカ(Spica)は、その名のとおり、おとめ座のモデルである女神メルデルが握る麦の穂先で輝く星です。アークトゥルスと対を成す夫婦星で、真珠のように輝いて見えることから日本では「真珠星」とも呼ばれています。
2. うしかい座のアークトゥルス
うしかい座のアークトゥルス(Arcturus)は、ギリシア語で「熊を追うもの」という意味。おおぐま座の後を追いかけるようにして回る星であることに由来します。春の大曲線・春の大三角を構成する星のひとつです。
フライパンのような形に並んだ7つの星、北斗七星のカーブに沿って東の方向を探してみると、オレンジ色~赤色に輝くアークトゥルスが見つかります。特に6月ごろの晴れた夜にはよく見えるでしょう。
また、最初に紹介したスピカと、アークトゥルスを結ぶ曲線を春の大曲線と呼びます。春の大曲線はほかの星座を見つけるための目印になるので、春の天体観測には外せないポイントといえるでしょう。
3. ペルセウス座のアルゴル
勇者ペルセウスが掴んでいる妖怪メデューサの額で輝いていることから、「悪魔の星」という意味の名前がつけられたアルゴル(Algol)。2つの星が重なったり横並びになったりすることで明るさが変化する、変光星のひとつです。アルゴルは肉眼でも比較的見つけやすく、慣れてくれば明かりの強さを見分けることもできます。
アルゴルがあるペルセウス座を見つけるには、北東側の空に目を向けてみましょう。複数の星が弓のような形で並んでいます。
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4. はくちょう座のデネブ
4. はくちょう座のデネブ
はくちょう座のデネブ(Deneb)は、アラビア語で「めんどりの尾」を意味します。夏の大三角を構成する星のひとつです。半径が太陽の約200倍にもなるという極めて巨大な星ですが、地球からは1,800光年も離れているので暗く見えます。
デネブを探すには、夏の大三角を見つけるのが最もわかりやすいでしょう。7月なら東側、8月なら南東側の空を見上げてください。3つの明るい星が三角形に並んでいる夏の大三角のなかで、最も高いところで輝いているベガから、こぶし2個分ほど下にあるのがデネブです。
5. こと座のベガ
ベガ(Vega)は、アラビア語で「急降下するワシ」という意味です。現在はこと座とされていますが、かつては獲物を狙うワシの姿に見立てられていました。天の川をはさむようにしてわし座のアルタイルと隣り合っていることから、「織姫星」とも呼ばれています。
ベガを見つける際は、デネブと同じように夏の大三角を探すのがおすすめ。夏の大三角のなかで、最も高い位置で最も強く輝いているのがベガです。
6. わし座のアルタイル
「織姫星」と呼ばれること座のベガと対をなすのが、「彦星」であるアルタイル(Altair)。アラビア語で「飛翔するワシ」という意味を指します。また平安時代には、犬を連れているように見えたことから「以奴加比保之(いぬかいぼし)」とも呼ばれていました。
夏の大三角のなかで最も低い位置で輝いており、デネブやベガを見つけられればすぐにわかるでしょう。初心者でも比較的スムーズに探せます。
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7. オリオン座のベテルギウス
7. オリオン座のベテルギウス
「脇の下」を意味するベテルギウス(Betelgeuse)は、その名のとおりオリオン座の巨人の脇の下で輝く星です。半径が太陽の1,000倍の大きさに匹敵する非常に巨大な恒星で、もうすぐ寿命を迎え、爆発するのではないかといわれています。
12月の20~21時ごろに、南より少し東側の空を見上げてみましょう。8つの星がリボン型に並んでいるのがオリオン座で、このうち左上で赤く光っているのがベテルギウスです。オリオン座は形がわかりやすい星座なので、すぐに見つけられるでしょう。
8. おおいぬ座のシリウス
最も輝きが強い星であることから、「焼き焦がすもの」という意味の名がつけられたおおいぬ座のシリウス(Sirius)。シリウスがこれほど明るく見えるのは、星そのものが強い光を放っているからではなく、地球から8.6光年と比較的近い距離にあるためです。
先ほどの手順でベテルギウスを見つけたら、中指がベテルギウスの延長線上にくるようにして夜空にピースをしてみましょう。ちょうどこぶしあたりの位置で一際輝いて見えるのが、シリウスです。
星空をきれいに撮影するコツとは?
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せっかく星を見に行くなら、記念として写真に残しておきたいものですよね。しかし、光が弱い星をきれいに撮影するのは意外と難しく、いくつかのコツを押さえなければなりません。ここからは星を撮影する際に重要なポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
三脚は必須!ぶれないよう注意
きれいな星空の写真を残すために、まずは三脚を用意しましょう。星空の撮影には長時間露光が必要ですが、手でカメラを固定しようとするとどうしてもブレてしまいます。
また、三脚だけではシャッターを押したときにブレてしまうことも。ケーブルレリーズを使用したり、セルフタイマーを活用するとブレをより低減させることができますよ。
露出・ピントはマニュアルモードで
星は光が弱いうえに小さいため、露出やピントをオートモードにするときれいに撮影できないことが多々あります。そのため、マニュアルモードでしっかりと調整しましょう。
露出は、ISO感度3200程度・シャッタースピード15~30秒程度・絞りF4.0程度を目安に設定してみてください。また、ピントは距離指標を参考にしたり拡大機能を使ったりするとよいですよ。
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輪郭・色味の調整も忘れずに
輪郭・色味の調整も忘れずに
星は、輪郭がくっきりしたほうがきれいに撮影できます。輪郭補正機能が付いているカメラを使用するときは、設定を「ハード」もしくは「ミディアムハード」にしておきましょう。また色味をコントロールすることで、違った表情の写真が残せます。ホワイトバランスを使って、好みの色味に調整しましょう。
ISO感度とシャッタースピードの設定も重要
星空を撮影すると、星は少しずつ動いているためブレたように見えてしまうことも。星ひとつひとつを綺麗な点として写したい時は、シャッタースピードを10秒以下に設定を。もし、綺麗に写らなければ、ISO感度を3,200~6,400まで上げてみましょう。なお、ISO感度を上げすぎるとノイズが出やすくなるので、撮れた写真を見ながら少しずつ設定を変えるのがよいでしょう。
ノイズ低減機能がある場合はONに
星空の撮影には長時間露光が欠かせませんが、長時間露光時は点のようなノイズが現れることがしばしば。使用しているカメラにノイズ低減機能が搭載されている場合は、ONに設定してから撮影しましょう。
ただし、ONとOFFの状態で画質に差がないのであれば、撮影可能間隔が短いOFF状態がおすすめです。
星の名前を知れば天体観測がより楽しく
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今回紹介した星は比較的見つけやすいものばかり。なにも考えずにただ夜空を眺めるのもロマンチックで素敵ですが、星の名前や特徴を知っておけば、天体観測がより楽しくなりますよ。撮影のコツを押さえて、美しい1枚を納めてくださいね。
しかし、夜でも明るい都会で星を見るのは難しいもの。できる限り近場で星空を楽しみたいなら、写真展を鑑賞するのもおすすめです。フジフイルム スクエアで2020年11月に開催された企画写真展「ハッブル宇宙望遠鏡 宇宙の神秘を紐解く30年」では、息をのむほど美しい星空の写真が多数展示されました。フジフイルム スクエアでは、ほかにも随時さまざまなテーマで写真展を開催。
詳細は以下のページからご確認ください。